
人的資本報告・開示を規定する国際規格として2018年に初めて登場したISO30414は、2025年8月25日に、タイトルを従来の「ガイドライン」から「要求・推奨事項」へと格上げされ、2025年版として公開されました。
2018年の公開時から多くの注目を集めてきたISO30414は、今回の改定でAIの利用を含めたデータ収集・活用やプライバシーへの責任に関するガイダンスが追加されるなど、大幅に刷新されました。要求事項は法的な義務ではありませんが、企業が「ISO30414に準拠している」と示すためには、必須指標となった14項目を適切に測定・開示することが求められます。
本記事では、変更点について、CHROFY独自に比較・整理したポイントをご紹介します。

各領域の変更ポイントは以下の通りです。
2018年版ではアルファベット順(Compliance and ethics~Workforce availability)に並んでいましたが、2025年版では意味のある順序に並び替えられ、また、領域においても統合・分割が行われ、より実務に即した構成となっています。
最新版のISO30414:2025では、11カテゴリ内に、従来の58指標から69指標に増加しており、そのうち14指標が必須指標(Requirement)、残り55指標が推奨指標(Recommendations)となります。

「必須指標(Requirements)」は、すべての組織に測定・開示が求められる項目で、全69指標のうち14指標がこの必須指標に該当します。ISO30414の認証取得には、この14指標の基準を満たした上で、対外開示を行うことが必要となります。

今回の改定により、企業は指標ごとの優先度を踏まえた対応を進めやすくなりました。
今回は、指標の変更点を中心に解説しましたが、それ以外にも、AI・HRテクノロジーの利用や、ガバナンス強化に関するの観点が多く盛り込まれた改訂となりました。単なる指標の改訂としてではなく、人的資本を実効的に管理し、企業の取り組みを促進するためのきっかけとして、企業の意思決定の力に変えていきましょう。
人的資本への期待値が高まる中、組織の状況を正しく見える化することがますます重要になっています。
CHROFYは現在、ISO 30414:2025に準拠したシステムの準備を進めております。今後のアップデートにより、より効率的な人的資本管理をサポートできる機能を順次ご提供予定です。どうぞご期待ください。
なお、人的資本経営に関する様々なISO規格を包括する位置づけとなる、新規格『ISO 30201(人的資源管理システム Human Resources Management System – Requirements)』については、現在FDIS(最終国際規格案)のステータスにあり、早ければ2026年の年明けに公開される見通しです。
『ISO30201』は、組織の内部運用ルールをどう設計し、PCDAを回しているかに焦点がおかれた内容です。こちらについても正式に情報が公開されましたら改めてご紹介します。
CHROFYは今後も、人的資本経営の実践を支援するプラットフォームとして、企業の持続的な成長を後押ししてまいります。
また引き続き、経営者および人事・経営企画・IRに関係する皆さまに向けて役立つ情報を定期的に発信していきます。
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