組織・人事と企業価値の関係において、従業者のエンゲージメントやウェルビーイングの向上が企業価値の向上に寄与することは、多くの方が実感されていることでしょう。
とはいえ、具体的な人事施策で「コレ」をすれば売上や利益が増えるという特効薬を見出すことは簡単ではなく、配属・役割・評価・報酬・労働時間・就業環境・機会提供などなど、色々な要素を組合せたり絡ませたりすることも必要だと考えます。
そこで、CHROFYでは、「できることから始め、早くアクションにつなげて成果を得よう」という発想のもと、人的資本(以下、組織力と表記)の経年の変化を数値化し、どこに着目して組織力を高めていけば良いかを指し示す指標「GROWSCAPE®(グロウスケープ)」を備えています。
この指標は、企業の組織力強化に向けた“羅針盤”の役割を果たします。
このコラムでは、3回にわたり「GROWSCAPE®」をお薦めする背景とその概要をお伝えします。
・第1回 業績向上と人的資本KPIの相関関係を導き出す
・第2回 目の前には常に問題あり、人事にもKAIZENは有効
・第3回 組織力をBefore Afterの変化を数字で表し対処すべき道筋を示す
人的資本経営や情報開示に関連して良く耳にする話題は、業績指標(売上高や利益)と人事KPI(例えば採用や教育といった投資金額や昇給など)との相関関係を示すことはできないかという誰もが知りたい、気になるテーマです。
CHROFYとしてもこのテーマには継続的に取り組みたいと思っていますが、とても高いハードルが待ち構えています。
業績を左右する社内外の要素は以下に例示する通り多岐にわたるため、その中から人事KPIが業績に及ぼす影響(相関関係)だけを識別して取り出すのは、相当量のデータの蓄積と高度な解析技術をもってしても容易ではありません。
<業績に影響を及ぼす社内の要素(例)>
製品、価格(売価)、原価(製造プロセス、調達)、ブランド力、マーケティング、販売チャンネル、流通経路、組織編制、人材の配置、人事諸制度、人材採用や離職、ガバナンス(各種規程や管理体制)、資金力(調達力)、等々
<業績に影響を及ぼす社外の要素(例)>
お客様の志向変化、競合他社の動向、景気、物価水準、金利、取引先の政策・方針、法規制、等々
売上高や利益といった会計データを細かく分解できる粒度と、一人ひとりのデータから成り立っている人事データを集計していける粒度は、もともとの管理単位が異なるために同じ単位に合わせて相関分析や因果関係を追求するのは容易ではありません。
利益や収支はプロフィットセンター(直接部門)のみの評価であり共通部門が除かれているため、人事データとは管理対象が異なります。
全社損益とプロフィットセンターの収支を整合させようとすると、共通費の配賦の妥当性が大きな論点になり、プロフィットセンター別収支の信ぴょう性に疑義が生じる可能性があります。
人事主導と現場主導が混在する採用に掛かる費用や育成投資を会計データから漏れなく抽出することが難しいため、投資の妥当性や効果を測定する以前に施策自体の内容を適切に把握できない可能性があります。
プロフィットセンターとコストセンター(間接部門)の違い、あるいは原価部門、販管費部門といった会計上で重要な識別単位は、人事データの識別単位と異なるため、会計データと人事データを同じ粒度で集計したり対比したりすることは簡単ではありません。
以上のように、組織・人事と会社の価値向上との関係を突き止めるために高いハードルを越えるのは大変な時間と知恵を要する長い道のりですが、全ての会社が抱えている目の前の組織・人事の課題は待ってくれません。
こうした背景を踏まえて、CHROFYでは早く適切なアクションを起こし、成果をあげるためにできることをすべきだと考えます。
第2回では、経営陣や人事部門に取り組んでいただきたいアクションをご紹介します。
なお、「GROWSCAPE®」という名称は、「成長」を意味する“Growth”と、「状況や環境を見渡す」という意味の“Landscape”を掛け合わせた造語です。
この指標は、「会社が成長するための羅針盤の役割を果たしたい」という思いを込めております。
「GROWSCAPE®」は特許に基づく指標であり、CHROFYが独占的に使用する権利を有し、商標登録もされています。
CHROFYは、今後も、人事・経営・IR担当者に向けて「人的資本」に役立つ情報を定期的に発信していきます。
何か「人的資本」や「人的資本経営」について、不明点やお悩みをお持ちの方は、ぜひ、お気軽にご相談ください。
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